センターライン上のレフト

 わが校の体育では、毎年初めの選択種目としてソフトボールが選択可能である(但し私が一年生の時は、男子のみソフトボールだった)。野球好きで週末も友人と硬式球でプレーしていた私は、もちろん毎年ソフトボールを選択した。

 守備位置はというと、小学校のころにPTAのチームでも守っていたレフトをやることが多かったが、二年次はサードや時々ショートを経験し、三年次に至ってはサードとピッチャー以外の全ポジションに回ることが多かった。キャッチャーでは数試合でマスクを被り、セカンドとショートでは1イニングだけ守ったりで場所によって守備機会はさまざまだった。捕球が悪くエラーすることが多かったため、チームには特に内野をやっていたときはかなり迷惑をかけた。

 打撃で貢献しているかというと微妙だ。三年次は、打順は3番や5番をメインで並んでいたが、序盤こそ安打を重ね時にはタイムリーを放つこともあった。しかし高めにバウンドさせての内野安打が多かったため打点をあまり稼ぐことができず、時には併殺打になってしまうこともあった。終盤にはそれすらままならずフライの連続で進塁打さえままならなかった。通算打率は数えてないのでわからないが、3割序盤かそこらであろう。

 題名のセンターライン上のレフトとはなにか疑問に思った人も多いだろう。あれは三年次のある試合でのできごとであった。当時、ショートに野球部を入れていた私のチームは、基本的にそこを越えての打球は滅多にこなかった。バッターはとりわけ強打ではない、したらばセンター方向をカバーしようと私はかなりの前進守備でセカンドベースの真後ろまでチャージして立つことをした。幸い打球はショートを越えることはなかったが、もしバッターがボールを芯でとらえショートを越えようものならランニングホームランもありえる。いわばギャンブル的要素があった。センターを信用していなかったわけではない。チームに貢献しようとしたあまり奇奇怪怪な行動に至ってしまった。

 ソフトボール然り野球は暫くしていないが、将来は草野球なんてのもやってみたいなとは心のどこかで思っている。大学でそういう系のサークルや部活動に入るかもしれない。下手の横好きとはこのことである。